30代後半、バツイチ再婚にもなると、恋愛経験はそこそこ多い方なのかな。訳あって前の夫と別れ、子供を連れてきあちこちアルバイトをしていた私。「彼氏」というのも何人か転々としていました。というのも、「お付き合い」をする意味がよくわかっていなかったのです。子供がいる私にとっては、結婚までたどり着かない先の見えない男女の関係は軽いもので、言われるがままに付き合って、言われるがままに別れての繰り返しでした。そんな生活を続けて5年ぐらいの月日が経ちました。とあるサイトで同じ趣味をもつ人と知り合いました。その時期私は水商売をやっていて、子供がいるにも関わらず仕事終わりにお酒を飲みに出ていました。たまたま近くで友達と飲んでいると聞いて、覗きに行ったんです。少しだけ話しました。無口な人。けど話すと凄くおもしろい。そして驚いたのは、その場にいた人たちのお会計をその人が一人で払っていたこと。この時代にバブリーな人がいるもんだと感心してしまいました。それが出会いでした。その後もその仲間内がよく誘ってくれて、時間があれば遊びに行っていました。子供を連れていくと、みんな相手をしてくれました。とても楽しい時間でした。そのうち、無口な彼に引かれていき、自然と二人でいる時間も増えて「付き合ってんのかな?」「それでいいんじゃない?」ぐらいのノリで付き合いはじめました。娘と3人で同棲もしました。彼は小さい会社でしたが、そこそこの役職にいました。なので、ほとんど外食。月に何度も温泉旅行とか、県外に旅行に行ったりとか、とても贅沢な生活をしていました。周りにも凄く仲が良いと思われていたようです。自分でもこんな生活ができるとは思っていなかったので、とても幸せな時間でした。お金が全てではないのでしょうが、シングルマザーだった私にとっては今までになかった世界。初めての事と安定した気持ちでいました。一つだけ気になってたのが「将来がみえない」ということ。これは、彼が悪いわけでなく、「家庭」を考えたときにこのまま贅沢な生活をしていていいものかと疑問に思い始めました。良いわけがないんですよ、子供もいるし。そんなことを考え始めた時期、今の夫と知り合います。普通の人。ごくごく普通の人。収入も普通の人。周りはイケメンって言ってくれていたけど、私は自分の顔にコンプレックスがあるので「イケメンは嫌いだ」という言葉をよく言っていました。つまり、「貴方は無理です」ということ。彼氏もいるし。それでもぐいぐいアプローチされました。しまいには婚姻届を持ってこられました。これには驚きでした。少しずつひかれていった私は、「お付き合い」という形はとらなかったものの、二人きりでご飯を食べたり遊びに行ったりしていました。家にも行きました。これはもう付き合うとか付き合わないとかではなく、どう言い訳しても二股です。そして、私のあからさまな行動に彼氏は気付きました。「好きじゃなくなったとか冷めたとか、他に好きな人ができたとかは、お前の気持ちだからわからない。けど、今その人と一緒にいるならそっちが良いんだと思う。」と言われました。終わった。全部終わった。安定した気持ちと生活、やっと手に入れたのに。絶望しかありませんでした。この先どうやって生きていこうか….まで考えました。後悔しかありませんでした。正式に別れた後も周りの友達連れて飲みに行ったり、ご飯に連れていってくれたりの少しぐだぐだした関係が続きました。結局、その彼は転勤で他県へ。そして私は今の旦那と付き合うようになりました。今は裕福ではないけど楽しい家族です。もう、子供の将来のことしか考えていません。歳をとったからか、贅沢な生活をしたいとは思わなくなりました。ただただ先を見て地道にやっています。前の彼と結婚してたら今どんな生活してたかな?とか考えたこともありましたが、比べられないのでやめました。ただ、私が出合った中で、一番気があって一番楽しい贅沢な時間を過ごさせてもらったことに感謝しています。
37歳 シングルマザー お金か将来か究極の2択で後悔した過去
