若い頃は、評価なんかされなくても、仕事をするのが楽しかった。
ただ、40代に差し掛かってくると、それなりに、評価もされたいな、なんて思い始めたのが悪かった。
こんなに頑張っているのに、誰も解ってくれない気がする。
地元の友人たちには子供がいて、20歳を越えたよなんて話を耳にする。
直接言われているわけでもないのに、自分が、欠陥のある人間のように思えてくる。
このままじゃいけない。
じゃぁ、自分探しの旅に出よう。
でも、超インドア派。家でテレビや動画を観たり、マンガ読んでるときが幸せなタイプ。
テレビの旅番組で、充分満足できちゃうし、旅行なんて、疲れるばかりと、
ずっと近場で、この歳まで生きてきた。
人生観変えるために旅に出る?無理無理、お金の無駄だし。
とはいえ、家でテレビを観ていても、なんだか、モヤモヤイライラ。集中できない。
誰かにアドバイスをもらいたいと思っても、そういう友人もいないんだよね。
なにか、こう、お金をかけずに、自分の心を楽にする方法は無いかしら?
そうだ!大型の本屋へ行って、心を揺さぶる本を探しに行こう。
自己啓発本なんて、全然興味が無かったけれど、こういう時に読まなくて、いつ読むのか!
本は紙で読みたい世代。
ネットのオススメは鵜呑みにしない性格。
試し読みして、良かったら買えばいい。良いとこだけ記憶して、買わなくたっていい。
知ってました?
大型書店は、立ち読みにも寛容で、特に、メンタルのヤバい人向けの本のコーナーって
静かで、あまり人の来ないところに作られていたりする。
売れてる本は平積みで、「人生に迷うあなたに」「認められたいをやめよう」なんて
ポップまでついてる。めちゃくちゃ親切。
文字の波間を漂って、心を揺さぶる言葉を探す旅。なんかカッコいい。
何時間居たのかな、3時間か4時間か。
数冊の本に出会うことが出来て、あとは、大好きな自分の部屋でじっくりと堪能するのみ。
ただね、琴線にがっちり触れてくる力のある言葉に出会った瞬間に、不覚にも
立ち読みしながら号泣してしまい、酸欠になり、足はがくがく、ちょっとフラフラ。
誰も来ませんように。誰も来ませんように。と念じながら、涙をやっと止めました。
店員さんに見られていたら、二度とその本屋に行けなくなりそう。
気にし過ぎかな。
購入した本は、さすが、そのために書かれているだけあって、効果あり。
自分の欲している言葉って、人によっても、立たされている岐路によっても違う。
私は言葉を見つけたけれど、写真集を観て、心揺さぶる景色を探すのも良いし、
旅行ガイドを見て、本当に自分を変えてくれる旅行先だって、
見つけられるかもしれない。
どこかに自分探しに行くのなら、まずは、大型書店。
おススメです。